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エシャレット?エノケソ?青空ひばり?

エシャロットというフレンチの食材をご存知だろうか?

小型のたまねぎを細くしたような形をしている。香りはガーリックやたまねぎ同様、刺激臭が強く主に香辛料として西洋料理では用いられている。

昔、フレンチの教室に通っていた時に何度もこのエシャロットのみじん切りを炒めていたことが記憶にある。これにフォンをいれて煮詰めてソースを作ったりした。

これだけでまるで自分が立派なフレンチのシェフになったような錯覚を覚させてくれるような不思議な食材だった。

「甘さがいらない時にシャロットを使う」というのがたまねぎとの大きな違いであることを教えてもらった。

久しぶりにデパ地下で静岡産のエシャロットが売られていたので「へえ~最近では日本でもエシャロットを使う家庭も増えたのか!」と思いながら買ってみた。形状は僕が記憶していたのとはちょっと違う気がしたがあまり気にもしなかった。

さて、さっそく何を作ろうか考えてみたが、まずは簡単なところからスタート。

無頭エビ(ブラックタイガー)、ホタテ貝柱、生ガキを冷蔵庫から取り出して、エビは皮をむいて背ワタを除く。鍋にお湯を沸かせて食塩と白ワインを加え、ホタテ貝柱を入れる。沸騰してきて吹きこぼれる瞬間に火を止めて貝柱を取り出す、続いてエビも同様に。

それぞれパッドに並べて粗熱を取る。そしてさらに生ガキを入れてこれもしゃぶしゃぶの要領でさっと熱がついたくらいで引き揚げて冷ませる。

さて、いよいよここからこの魚介たちに和えるソースである。

いつもならここで簡単カクテルソースを作って終わりであるが、今回はエシャロットを使うのが目的なのでボールに1カケみじん切りしたエシャロットを入れる。でもエシャロットってこんなに小さかったかな?なんて思いながら軽く塩コショウ。エグ味や苦味がなかったので軽くゆでることはしない。

そこに市販されているフレンチドレシングを大匙1、マヨネーズ大匙2を入れてレモンの絞り汁、4等分にされた貝柱とエビを入れてかき混ぜる。ディルの葉を散らしたらできあがり。

食してみたらけっこうイケてる!りっぱなフレンチ前菜になった。やるではないか日本産エシャロット!

でも、よくみるとそのパックには「エシャレット」と書いてある!「?」どういうことだろう?さっそく調べてみるとなんと以下のようなことが判明した!

「生食用に軟白栽培されたラッキョウ (Allium chinense) が、「エシャレット」の商品名で販売されていることが多い。

この一年物の早獲りラッキョウに「エシャレット」という商品名を命名したのは東京築地の青果卸業者であり、名付け親はその理由として「『根ラッキョウ』の商品名では売れないと思ったのでお洒落な商品名を付けた」と語っている。『エシャレット』が商品化された1955年頃はまだ、日本で本物のエシャロットが一般的でなかったので問題はなかったが、今となっては紛らわしい。日本ではほとんどの者が、これをフランス料理で使用される本物のエシャロットと混同している」

僕はこの事実がわかったとき、あることを思い出した。

それは「エノケソ一座」「青空ひばり」である。戦前や戦後、過疎地の田舎ではもちろん今と違ってテレビなど普及していない。唯一の娯楽が映画であったことは言わずもがなであるが、その映画の主人公一座、スターがやってくる!と謳って興行していたのが「エノケソ一座」「青空ひばり」さんたちだった。

もちろん「エノケソ」はエノケンこと榎本健一、「青空」さんは美空ひばりさんの偽物である。おまけにこの一座、偽スターさんたちは複数いたというからややこしい。一見看板やポスターを見たら本物の「エノケン」「美空ひばり」に見える。

事実がわかって文句を言っても「だますつもりではなく、見間違ったあんたたちが悪い!」と言い返されるのである。まあ食材偽装してきたホテルとは違って、こちらは笑えるし、かわいいものに思える。反対にぜひとも観てみたかったくらいである。

話を元に戻そう。その「エシャレット」であるがこれはこれで美味しいという結論になった。本当のところ、僕はラッキョウが大嫌いである。

でもこの生食の根ラッキョウはけっこう美味いのである。これだけを主役にするわけにはいかないが薬味とすればけっこう使えるのだ。役者でいう名わき役といったところか。

カツオのたたきの薬味としてもニンニクとたまねぎの2つを兼ねた役割を果たすし、ツナサンドを作ったらこれほど重宝なものはない。みじん切りにしたエシャレットさんにツナ缶のツナを混ぜてレモンと胡椒・マヨネーズで最高のツナマヨの完成だ!ツナマヨファンの僕としては今後、これを使わずにはいられない。

勘違いで得られた美味なる食材。エシャロットと思わなかったらこれを買わなかっただろう。

つくづくネーミングって大切だと実感した。

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